[pp.265-270]
岡野 雅通,盛岡 通 (大阪大学)
要旨:
循環型社会の形成に向けた1つの取り組みである,廃自動車(ELV)を対象としたリサイクルシステムについて,複数主体対応型の環境会計を用いて評価する。ELVは,ASRを中心とした再資源化率向上という目標と共に,回収される鉄スクラップの質が重要な課題となっている。特に自動車の電装系部品に含まれるCuの混入は,鉄スクラップの品位の低下を引き起こす。そこで,より効率的かつ効果的にASRを削減する方法について,既存の技術を元にシナリオを構築した上で,比較評価した。その結果,解体業者での徹底的なCu除去と,破砕後のガス化処理という新たなシナリオを導くと共に,循環型社会の構築を進めるための方策を考察する。
キーワード:
自動車リサイクル,ASR(自動車シュレッダーダスト),環境会計,情報管理システム