[pp.253-258]
中口 毅博 (環境自治体会議環境政策研究所)
要旨:
本研究は,社会構造変化を考慮した民生部門家庭の温暖化対策立案に資するために,家庭におけるエネルギー消費実態を把握し,その要因を特に世帯属性との関連で分析した。アンケート調査によって岩手県と鹿児島県の1世帯あたりの電気・ガス・灯油の平均消費量を算出し,その規定要因を数量化Ⅰ類分析によって把握した結果,寒冷地域と温暖地域といった気候要因による消費量の差は,灯油消費においては大きいが,ガスや冬の電気においては顕著ではなく,むしろ家族人数や高齢者・乳幼児の所在,在宅時間といった世帯属性が要因となっていることが多いことが明らかになった。一方,建物構造,建て方などは,数量化Ⅰ類分析によると概して大きな要因とはなっていないことが明らかになった。
キーワード:
温暖化防止対策,エネルギー消費,民生部門,ライフスタイル