[pp.207-212]
坂部 創一,田中 傑 (創価大学,J・C・STAFF(株))
要旨:
従来のテクノ依存症を包括する大学生を対象とした仮想空間依存症指標(VSC-Index)を開発した。調査後の信頼性・妥当性の検証結果は,良好であった。因子の構造分析から,各メディア依存度は相互に関連しながら全体としてVS(Virtual Space)依存度に関与していた。VS依存度の得点が高いほど,生活障害,すなわち生活が不規則で授業に出るのが億劫になり人間関係の悩みも多いという傾向性を示した。さらに,VSC得点はQOL(Quality of Life)得点とやや弱い負の関係を示したが,VSCがもたらすこのような自覚症状の弱さが,VS依存の重症化を加速する。そのため予防対策として,VSC-Indexを利用した自己診断によって,早い段階でVS依存に気づくように導くことを提起した。その結果として,QOLの持続的な向上のための一要因となることが期待される。
キーワード:
仮想空間依存症,テクノ依存症,VSC-Index ,QOL