[pp.183-188]
杉本 容子,鳴海 邦碩,澤木 昌典,岡 絵理子 (大阪大学)
要旨:
本研究は,大阪市内で市街地に取り囲まれながらも都市開発や戦災を免れた「古集落」を対象とし,伝統的祭りにおける新来居住者の参加を通して持続的コミュニティの形成の可能性を考察することを目的とした。運営代表者へのヒヤリング調査および祭り参加者と周辺居住者へのアンケート調査により,祭りの運営実態および参加の仕組みを明らかにした。その結果,新来居住者は地域の伝統的祭りを継続的に見物しており,その存在を肯定的に捉える傾向があり,見物することによって地域への愛着が生まれふるさとと感じるようになる可能性が考えられることが分かった。
キーワード:
古集落,持続的コミュニティ,伝統的祭り,新来居住者,大阪市