[pp.119-122]
藤見 俊夫,浅野 耕太 (京都大学)
要旨:
本研究では,CVMにおいて調査者が提示した仮想シナリオと異なる主観確率を回答者が想定することによって評価額にもたらされるバイアス(主観確率バイアス)について実証的に検討した。評価対象財としては熊本地域の地下水を選んだ。検討の結果,主観確率の違いは評価額に有意な影響を与えており,主観確率バイアスの存在が示された。また,主観確率バイアスを修正した評価額と修正しない評価額には平均値で約2.5倍,中央値で約4倍の違いが見られた。
キーワード:
地下水保全,CVM,主観確率バイアス,2段階M推定