[pp.101-106]
高山 範理,辻 華欧利,下村 彰男 ((独)森林総合研究所,(財)自然環境研究センター,東京大学)
要旨:
本論では,中景域の森林景観を構成する単位である樹冠の織りなす肌理(テクスチュア)に着目し,(1)48名の被験者に対して見え方による森林景観の分類実験を行い,最終的に森林景観を5グループに分類した。(2)各グループの代表的な写真に対して,濃度ヒストグラム法を用いて,分散・歪度・尖度を指標にテクスチュアの状態の解析・分類を試みた。(3)最後に(1)と(2)の結果の関連性の検討を行った。その結果,定量的な分類の指標として特に分散・歪度が有効であり,被験者の分類結果は各指標からなる座標空間上に特徴的に配置する傾向があること,定量的な観点から森林景観の分類を行うための分析・整理軸として,テクスチュアが有効である可能性が示唆された。
キーワード:
森林景観,テクスチュア,画像解析,分類,濃度ヒストグラム法