[pp.83-88]
木村 敏浩,黒岩 孝,坂口 浩一,松原 三人,大内 宏友 (日本大学)
要旨:
フラクタル次元を用いた分析は,事象や形状の複雑さを定量的に測る事が可能であり,建築・都市計画分野の研究にも応用されつつある。本研究では,研究対象地域を江東区木場の永代通り沿いとし,認知領域の広がり(認知的特性)と,地理的要因を主とする物理的環境(形態的特長)である街区の複雑性との関係性について,3次元情報を包含する陰影画像を用いたフラクタル次元解析,画像相関によって分析した。結果,フラクタル次元と認知強度は,逆相関の傾向を示した。また,建築物の配置,形態や高さが複雑さとして反映され,永代通り南北間における心理量としてのエッジ形成に影響を与えていると考えられる。
キーワード:
都市環境,環境認知,複雑性,フラクタル,画像相関,3D画像解析