[pp.35-40]
熊谷樹一郎,石澤 秀和,川勝 雄介 (摂南大学)
要旨:
都市内の緑地の現況を把握するには,まず広い範囲から調査した上で,地域間での特徴を比較できることが必要である。近年では,ポケットパークなどの小規模な緑地整備を推進する傾向にあることから,調査対象として緑地の総面積だけでなく,散在する状態も同時に把握することが重要となる。本研究では,緑地の分布状態を広域的に分析する方法を開発した。具体的には,緑地の散在する状態を数値化する指標としてエントロピーが有効であることを示すとともに,典型的な分布状態を表す標準データを新たに定義し,これらを基準として地域ごとに緑地の分布状態を類型化できることを示している。
キーワード:
緑地分布,空間統計,広域調査