[pp.393-398]
澤田 大介,本條 毅,丸田 頼一,木村 圭司 (東京大学,千葉大学,東京都立大学)
要旨:
本研究では,緑被地の面積,樹林地の量,水面との位置関係および周辺の土地被覆状況などの条件と都市内の緑被地の表面温度との関係を明らかにすることを目的に,夏季・日中に撮影されたTMデータを用い,東京都区部を中心とした範囲における緑被地のさまざまな特徴と表面温度分布との関係を,多変量解析手法を用いて解析した。その結果,都市域では緑被地の表面温度が低く樹林地の方が草地よりも低温になること,本研究で設定した7種の諸条件が表面温度の高低に影響を及ぼすこと,主成分分析の結果から,水面,緑被地の量,および樹林地と草地の比率の3条件が,表面温度の高低に影響を及ぼすこと,また,重回帰分析の結果から,特に3条件のうち水面と緑被地の量が大きいと緑被地表面温度は低温となることなどが明らかになった。
キーワード:
都市気候,緑被地,表面温度分布,リモートセンシング,多変量解析