[pp.387-392]
松本 太,福岡 義隆,後藤真太郎 (立正大学)
要旨:
ヒートアイランドの経年的な変化を研究することは都市気候の実態を把握し,将来の予測,対策をする上で重要な課題である。中小都市については数10年にわたる長い時間スケールでの経年的な変化の研究はあまりみられない。そこで本研究では,熊谷市において1956年に行われた研究と比較しつつ,現在のヒートアイランドの実態を考察した。その際,地理情報システム(GIS)を用いて土地利用データなどの空間的な解析を行った。その結果,熊谷市におけるヒートアイランドは市街地の形態や地表面の熱的性質と密接に関係しており,1956年との比較においても,それらの変化に対応するようにヒートアイランドも変化していることが考察された。
キーワード:
都市気候,ヒートアイランド,経年変化,都市化,地表面の熱的性質