[pp.351-356]
布本 博,吉田 茂,瀧 和夫 (石川工業高等専門学校,長岡工業高等専門学校,千葉工業大学)
要旨:
わが国の河川は急流・天井川などの特性に加え,台風や梅雨前線の豪雨により,度々水害を引き起こしてきた。その一方,河道内構造物(ダム)による洪水流量のピークカット対策,さらには,利水としての安定的な供給もなされてきた。しかし,ダムなどの河道内構造物と生態系との関わり等の調査・検討は端緒に着いたばかりと考えられる。そこで,本研究では]977年からの航空写真をもとに,河道内構造物の樹林化についての基礎的特微を調査した。その結果,河道全体としては植生域が飛躍的に増大し,櫨生域・裸地域・水域の占有率が大きく変わる一方,河口近くの下流では頻繁にみずみちを変えることから,裸地域の割合の多いことが明らかとなった。
キーワード:
河道内構造物,植生,生態系,航空写真,植生遷移,洪水調節