[pp.229-234]
平田富士男 (姫路工業大学)
要旨:
ガーデニングの普及とともに淡路島のように自然に恵まれた地域でも,外国から輸入された園芸種が多用されるようになってきた。真に自然と共生する社会を実現していくためには,何でもいいから花や緑を植栽すればいいのではなく,その地城に自生する植物の有効利用を考える視点が重要である。そこで島民へのアンケートを通じて,自生植物等の利用に関する意識を調査したところ,園芸種の多用は,その植物の好き嫌いやコストの問題ではなく,むしろ増殖しやすいかどうか,が大きな理由であることがわかった。また,自生植物に関する認識も高く,特に,ユリ,スイセンの利用に対する意識が高いことがわかった。これらの自生種は今後園芸利用の対象として有望だが,住民が容易に育成,増殖できるような技術開発が重要であることも把握された。
キーワード:
淡路島,自生植物,ガーデニング,自然との共生,園芸