[pp.217-222]
赤澤 宏樹,田原 直樹 (姫路工業大学)
要旨:
本研究では,緑化活動の原因になる集合住宅の空間特性を明らかにし,効果的なコミュニティ計画づくりの指針を得ることを目的とした。兵庫県の震災復興団地における,往民による主体的な緑化の発生状況を調べた結果,コミュニティ形成を誘発,誘導するための緑化活動空間の特性は,以下の点であることがわかった。(1)住民による緑化の発生は,植栽しやすい地被条件に強く影響される。(2)景観など対外性を意識した緑化は,特に歩道から視認できる範囲において期待できる。(3)それを補完する内在的緑化は,住戸周りで食用などの実用的なものが,生育条件にあわせてプランクーなどでも栽培される。以上の結果から,適切な空間配置による緑化の発生の可能性を論じた。
キーワード:
集合住宅,空間特性,緑化の発生,パス解析