[pp.199-204]
清水 美砂,押田 佳子,上甫木昭春 (大阪府立大学)
要旨:
本研究では,大阪府堺市の神社林の現状を明らかにするために,神社の空間特性を敷地規模と周辺の土地利用から,そして緑地の構造特性を緑被と地表面の現況から検討した。また,これらの調査結果に基づき比較的白然状態に近いと思われる神社林について,植生調査を行った。その結果,神社林の現状として,立地特性や敷地規模が多様であること,比較的自然状態に近い神社林の面積割合は,周辺市街地割合が50%未満,敷地規模が5,000m2以上で多くなる傾向にあることが明らかとなった。植生構造では,木本種数と面積との間に相関がみられたが,本来の照葉樹林の構成とはなっていない状況にあることも明らかとなった。
キーワード:
堺市,神社林,緑地構造,種組成