[pp.115-120]
栗原 雅博,中野 浩平,熊田 章子,古谷 勝則 (千葉大学,霧ヶ峰ネットワーク)
要旨:
全国で減少している二次草原の保全方法を模索するため,霧ヶ峰における二次草原の土地利用の変遷を把握した.方法は,既往文献調査を中心に進め,明治以降の5万分の1地形図をGISにより解析し,伝統的土地利用の定量的な把握を試みた。既往文献調査から,霧ヶ峰において伝統的土地利用のシステムが形成されたのは18世紀末であることが明らかになった。また,土地利用の転換は明治時代末期から始まった。また,二次草原の多面的な価値が注目され,第二次世界大戦後に観光開発されたことが明らかになった。GISの結果から,草原の面積は1911~1990年の間に46%に減少していることが明らかになった。
キーワード:
二次草原,採草,伝統的土地利用,霧ヶ峰,GIS