[pp.55-60]
萩原 豪 (学習院大学)
要旨:
日本ではあまり研究報告例が見られず,環境教育を国策として推進している台湾に着目し,環境教育に関する政策の現状を明らかにした上で,その問題点を明らかにした。台湾では環境教育要項の下,環境教育の政策体系を6つに分割し,教育部と環境保護署か中心となって実施している。1991年,教育部を中心として「環境保護教育及校園汚染防治六年計画」(環境教育6年計画)が施行され,現在は第二期に入っている。また環境保護署でも3年間の短朗計画を実施するなど,環境教育に刻する取り祖みが行われている。しかしながら,2000年5月の政権交代に伴い,環境政策にも変化が見られ,環境教育に関わる政策も影響を受けていることが明らかになった。また同時に国際社会の動きをかんがみ,環境教育を「持統可能な発展」をにらんだ「永続発展教育」に発展改名させようという動きも出てきていることが明らかになった。環境教育が政治文化の影響を受けて揺れ動くという問題点が明らかになった。
キーワード:
台湾,環境教育,環境教育6年計画,環境教育3年計画,政治文化,政策