[pp.51-54]
大工原洋充,畔柳 昭雄 (日本大学)
要旨:
本研究では,神奈川県川崎市宿河原地区で活動が展開されている「かわさき水辺の楽校」を対象事例とし,地域環境を「地域資源」とする楽校活動及び,開催されたワークショップ活動を通して,顕在化した課題や問題点の把握を目的とした。その結果,以下のことが明らかとなった。(l〉イベントに継続的に参加している子どもは少数であった。しかし,これらの子どもは,大人との親密な活動を通じて共同意識や共通認識を感じることで積極的行動,参加意欲を高めている傾向が見られた。②イベント実施にあたって,地域の大人達の子どもの特性に対する認識や自然環境に対する認識の不足が見られた。③ワークショップでは,継続的に参加していた子どもが欠席するなど,参加意欲が希薄化する問題が見られた。そのため,子どもたちの間に連帯感や共通認識が芽生えず,成果やプロセスの共有が困難であった。
キーワード:
水辺の楽校,ワークショップ,環境学習