[pp.13-18]
高橋 勇一,箕輪 光博,和 愛軍 (東京大学)
要旨:
森林経営あるいは森林評価の分野において,住民参加または協働管理に関しては,最近まであまり考慮されてこなかった。そこで本稿では,従来の森林経営の資本評価について再検討を行い,平田説ukを拡張した形で,住民との協働菅理を考慮した資本評価u(k十CS)を提示した.このuは輪伐期,kは持続的管理のための年間費用,そしてCSは地域住民の森林に対する補償余剰である。次に,この評価方法を中国長江上流域における雲南マツ人工林を対象に適用し,さらに生態系の維持や社会の成熟度による変化等を考慮して,u’{k十α(CS十ε)}という持銃可能な森林経営の資本評価を導いた。ここでu’はエコシステムの維持を熟慮した広義の輪伐期,αは係数である。
キーワード:
資本評価,持続可能な森林経営,協働管理,住民参加,長江上流