[pp.285-290]
村上 和仁,天野 佳正,瀧 和夫,松島 眸 (干葉工業大学,日本大学)
要旨:
本研究は,湖沼水質保全特別措置法における指定湖沼を対象に生態系エコサイクルの観点から環境評価を行い,また,野外設置型モデルエコシステムによる生態系エコサイクルの適正化・縮小化に基づいだ直接浄化手法の実験的検討を行ったものである。その結果,1)瑚沼の環境評価ならびに環境改善を図る上では,栄養塩濃度に基づく生態系エコサイクルの適正化の概念が重要であること,2)手賀沼・印旛沼をはじめとする湖沼水質保全特別措置法における指定湖沼を生態系エコサイクルから評価したところ,生態系エコサイク几の適正化・縮小化を図る必要があること,3)野外設置型モデルエコシステムによる実証実験の結果より,栄養塩類の固定化による物質循環からの除外を目的としたMgO散布による底泥処理によりプランクトン相の人為的コントロールの可能性が示唆される同時に,生態系エコサイクルの適正化・縮小化を図ることが可能であること,が明らかとなった。
キーワード:
エコサイクル,生態系,環境修復,直接浄化,モデルエコシステム