[pp.221-226]
鈴木 光,藤原 一繪 (日本ミクニヤ(株),横浜国立大学)
要旨:
海岸線には海から陸に向かう短い幅の中で環境が著しく変化し,それに伴って植生が帯状に分布する成帯構造がある。本研究ではこの成帯構造の分類化を試み,各植生グループと生育環境立地の関係,海岸線による植生グループの出現傾向の有無を明示することを目的とした。結果として,海岸植生は5クラス18群集に区分され,それらのつながりが植生ユニットとして8グループに分類された。そして,この植生ユニットは特定の環境を持った海岸線タイプに出現することがわかった。これらから対象となる海岸線のタイプによって出現しやすい植生の成帯構造を予測できることが示唆された。
キーワード:
海岸線,環境要因,植生ユニット,地形,ベルトトランセクト法