[pp.215-220]
栗原 雅博,井内 正直,古谷 勝則 (千葉大学,(株)電力中央研究所経済社会研究所)
要旨:
生物多様性の観点で注目されている二次草原の管理方法を検討するため,霧ヶ峰において過去30年の草原の樹林化を把握した。調査は,現地植生調査結果と風景写真を参考にして白黒空中写真を判読し,GISを用いて解析を行なった。その結果,既存樹林からの距離が遷移の速度を決定していることが明らかになった。また,小規模な樹林が新たに形成されており今後草原の消失は加速度的に進むことが予想された。二次草原を保全するには,小規模に点在する樹林を除去することが,有効な手法であると考えられる。
キーワード:
草原,遷移,樹林化,白黒空中写真,GIS