[pp.173-178]
小林 昭裕 (専修大学北海道短期大学)
要旨:
住民民参加による農村公園づくりに成功した北海道の由仁町と標茶町を事例に,農村公園づくりを契機としたコミュニティの構築を図る上で,行政と地域住民組織との連携,池域特性の理解や情報提供における課題を検討した。いずれの事例も,基本構想段階から住民参加がなされ,基本構想段階から実施にいたるまで2年あまりを要した。適切で十分な情報提供や,民主的手続きの遵守は,相互信頼や協同作業に不可欠なことが礦認された。合意形成には,住民個々の環境整備に対する多様な思考や志向性を踏まえた目標の共有化が必要であり,その際,公園づくりの協働作業が契機となり,地域コミュニティの活性化につながることが示された。
キーワード:
住民参加,農村公園,コミュニティ,協働,北海道