[pp.143-148]
金井昌信,青島縮次郎,杉木 直 (群馬大学)
要旨:
医療技術の発達等により我が国の平均寿命は著しい仲びを見せており,近々にも4人に1人が高齢者という超高齢社会を迎える。そのような状況のなか,自ら自動車を運転することのできない高齢者の外出機会は制限され,モビリティが低下し,交通需要が潜在化していくことが考えられる。そこで本研究は,郊外居住化の進む地方都市を対象に世帯構成を考慮した高齢者のモビリティを,外出指数を用いて数量化し,その低下要因を分析するとともに,現在の外出行動と潜在交通需要の関連を明らかにすることにより,今後の交通弱者対応型の交通体系整備の方向性と,そのなかでの自動車同乗の在り方について検討した。
キーワード:
高齢者,モビリティ,潜在交通需要,世帯構成,郊外居住化,地方都市