[pp.137-142]
山崎 政人,下田 吉之,水野 稔 (大阪大学)
要旨:
延べ床面積3000m2以下の小規模建築は,床面積ベースでわが国の事務所建築の6割以上を占めており,建築分野における環境負荷の削減を考える上で重要な位置づけにある。本論文では,従来型の建物仕様と空調システムによる小規模および中規模建築のケーススタディにより,小規模建築の方が,建設時の資源消費や運用時のエネルギー消費が大きいこと,多くの評価カテゴリにおいて環境インパクトが大きく,またAHP法を用いた総合評価においても環境インパクトが大きいことを示した。小規模建築は法制度の対象外となっているが,建築分野からの環境インパクトを低減するためには,小規模建築における取組みが必要であることを提言した。
キーワード:
小規模建築,ライフサイクルアセスメント,総合評価,階層分析法