[pp.61-66]
三木 健史,林 まゆみ,森田 年則,竹田 直樹 (積水ハウス(株) ,姫路工業大学,淡路景観園芸学校)
要旨:
植木生産地という特色ある農住混在型の都市空間における人と緑の関係性の一端を解明するために,一定の調査対象地を設定し,住民意識を調査した。まず,「植木圃場が多い」といった住民が認知する緑を中心とした生活空間に関する6タイプ,57種のキーワードを抽出し,このキーワードを基にアンケート調査を実施した。結果,キーワードには「身近な緑の存在」といった12のカテゴリーが存在することが把握できた。これらのカテゴリーにより住民は緑を認知していると考えられ,ここに人と緑との関係性が表出されたと理解できた。また,その関係性には,1)緑を媒体とした内外の交流機会,2)公共的な緑と植木産業などの生業的な緑の緑量感,3)一定期間の直接的な緑との関わり合い,4)緑という資源のある地域全体としての認知,という人と緑の関係性の主な構成要素として4つの因子があることが把握された。
キーワード:
市民意識,都市環境,圃場