[pp.55-60]
金 殊男,野嶋 慎二,呉 允杓,本多 義明 (福井大学,韓国釜山東亜大学)
要旨:
本研究は急激な宅地開発が進行している韓国釜山市の斜面居住地の居住者特性と居住環境に対する居住者の評価を明らかにし,今後の居住環境整備を行うための基礎的知見を得ることを目的とする。そのため,形成経緯と空間物性が異なる3つの典型的な斜面居住地である草梁地区,周禮地区,多大浦地区を選定し,クラマーのV係数と数量化理論II類を用いて地区ごとの居住環境の実態を分析した。また,今後の整備課題を考察した。その結論は以下の通りである。1)草梁地区は「プライバシー」等の影響が強く「住宅整備」の要求が多いこと,2)周禮地区は「道路及び歩行者路」等の影響が強く「歩行者道路環境整備」等の要求が多いこと,3)多大浦地区は「道路及び歩行者路」等の影響が強く「住宅整備」等の要求が多いことが明らかになった。
キーワード:
韓国,斜面居住地,居住環境,クラマーのV係数,数量化理論II類