[pp.269-274]
重松 敏則,朝廣 和夫,津川 彩良,伊藤 俊哉 (九州芸術工科大学,住友林業緑化(株))
要旨:
造成法面や造成裸地における樹林復元手法の一環として,二次林構成樹種を用いた幹挿しの可能性について実験を行った。その結果,常緑広葉樹種のアラカシ,ヤブツバキ,サカキ,ネズミモチで,比較的高い生存及び発根が得られたが,ヒサカキ,ソヨゴ,タブノキ,クロキではあまり良好な結果は得られなかった。落葉広葉樹種は従来の実験で困難視されていたが,クヌギ,アベマキ,コナラでわずか1本のみながら,良好な発根と枝葉の生存を達成し,今後の可能性が示唆された。冬期挿しつけと春期挿しつけの差異,裸地と草生地の差異,木炭客土の効果については有為な結果が得られなかった。
キーワード:
幹挿し,樹林復元,法面緑化,景観保全,種多様性復元