[pp.257-262]
千頭 聡,河本 順子 (日本福祉大学,東海アジア太平洋地域開発研究所)
要旨:
本研究は,ラオス中部を対象として,村落と村落林の成立状況,村落林の管理システムについて解析するとともに,焼畑地域における森林資源の再生と持続可能な利用を目指し,'地域住民が主体となった参加型森林保全のしくみを試行し,その活動を通じて今後の課題を明らかにしたものである。結論として,1)比較的近年成立した村落においては,伝統的な森林保全・利用のしくみが未成熟であり,それが,森林資源の劣化につながっていること,2)学校苗畑・学校林活動を通じて,村落単位での森林再生の意義が地域住民に意識されたこと,3)水源かん養林の設定と水道整備活動により,生活環境の改善と森林の保全の結び付けが意識されるようになったこと,などがあげられる。
キーワード:
焼畑,森林保全,参加型,村落林,環境学習