[pp.223-226]
朝日ちさと,萩原 清子 (東京都立大学)
要旨:
本論文では,顕示選好理論に基づくリスク評価モデル(Freeman,1995)の適用可能性を検討するために,水道水の水質リスクのケースについて,飲料水選択における行動と安全意識の調査を行い,当該モデルによる評価の導出を試みた。行動・安全意識調査により,リスクが飲料水の選択における一規定要因であること,水道水に対するリスク意識は代替財よりも高いこと,リスクについて水道水の代替財の代替性は財によって異なること,およびリスク情報により行動が変化することが明らかとなり,モデルの適用に際しては,選択におけるリスク意識および情報環境の明示化が必要であることが示された。
キーワード:
環境リスク,リスクの経済的評価,水質リスク,顕示選好理論,代替モデル