[pp.217-222]
原科 幸彦,世古口裕史,井関 崇博 (東京工業大学,(株) NTTデータ)
要旨:
PRTR制度を化学物質の適正な管理に活用していくにあたって,NGOの役割は重要である。本研究では,アンケート調査によって次の2点についてのNGOの考え方を明らかにした。第一にそれぞれがPRTRへどのように関わろうとしているか,第二にそのための必要条件は何か。その結果,制度実施時には多くのNGOが事業者や市民に化学物質についての問題を伝えたり,対策を提案したりしようとしていることがわかった。しかしその活動を支えるために,PRTRデータを分析,加工して他主体に提供できる団体は,そのニーズが高いにもかかわらず,少ないことも明らかになった。したがって両者を仲介,支援する役割が求められるものと言える。
キーワード:
環境汚染物質排出・移勣登録制度,非政府組織,リスク・コミュニケーション