[pp.175-180]
島田 正文,川野真由美 (日本大学,(株)バーズスタジオ)
要旨:
過疎化や高齢化が進行しつつある農村空間において,住民が持つ原風景のさまざまな要素に着目することは,個性的なまちづくりや地域整備上,有効であると思われる。本研究は,千葉県長生郡長南町を事例に,住民を対象とした原風景等に関するアンケート調査の結果を通して,まちづくりや地域整備の在り方について考察することを主な目的とした。その結果,原風景を構成する要素には,自然の中での遊ぴ,地域行事の体験,ランドマーク,季節や地域性豊かな内容が多く見られたが,世代が若くなるにつれ,内容も変化していることも明らかとなった。また,今後は,このような原風景を中心とした環境整備や福祉・文化施設などの重要性が指攘された。
キーワード:
原風景,地域住民,まちづくり,農村地域,環境整備,地域整備