[pp.155-160]
清水 丞,萩原 清子,萩原 良巳 (東京都立大学,京都大学)
要旨:
本稿では,ランダム効用理論に基づく離散的選択モデルを用いた水辺利用行動選択モデルの特性変数に,環境要素に対する認識データや感覚指標により構成される潜在変数を導入したモデルを同定し,その有効性と適用性について分析した。その結果,次のことが明らかになった。1)共分散構造分析を適用して水辺利用行動選択モデルの効用関数の特性変数として統計的な説明力を持つ2つの潜在変数を抽出することができた。2)潜在変数の導人は,個別では統計的に説明力を持たない環境要素を間接的に水辺利用行動選択モデルの中に取り込むことを可能とする。3)同定した水辺利用行動選択モデルは様々な水辺特性の変化に対する経済的評価を可能とする。
キーワード:
環境評価,共分散構造分析,離散的選択モデル