[pp.121-126]
立入 郁 (筑波大学(日本学術振興会))
要旨:
既存の降水量および土地利用のデータベースを用いて,北アフリカの乾燥地における1931年から1984年までの干ばつ回数を推定した。まず降水量データをTIN(Triangulated irregular network)を用いて面的データに拡張し,つぎに農耕地域と牧畜地城に分けて干ばつを定義した。農耕地域では乾燥限界といわれる年降水量300mmを2年連続して下回った場合,牧畜地域では連続する2年間の平均値がその地の年平均降水量からその標準偏差を減じた量よりも小さくなる場合をカウントした。その結果,農耕地の干ばつ頻度はサヘル東部のほかソマリア南部からケニア北東部にかけてで顕著であり,牧畜地城の干ばつ頻度はサヘル全域とソマリア南部,ケニア北部などで顕著であった。
キーワード:
干ばつ,北アフリカ,降水量,TIN,土地利用