[pp.109-114]
熊谷樹一郎,小川 進,齊藤元也 (摂南大学,農業環境技術研究所)
要旨:
都市開発に伴う土地利用の変化プロセスにはさまざまな形態がある。都市域の広がり方そのものも重要な解析対象であるが,都市周辺の土地利用状況の変遷を面的に分析していく試みも大切なものとなる。本研究では,Landsat/TMデータを対象として都市周辺における土地被覆状況の空間的な変遷に関する分析を試みた。具体的には,1984年から1997年までの3時期に観測されたLandsat/TMデータを対象に土地被覆分類図を作成し,空間的な複雑さを表すエントロピーを新たな指標として応用した。土地被覆項目ごとのエントロピーと面積占有率で構成される散布図においては,都市化に伴った土地被覆の面的な変遷が説明付けられる可能性が示唆された。
キーワード:
衛星リモートセンシングデータ,都市化,空間情報,エントロピー