[pp.61-66]
ジョロゲ ジョンボスコ,森本 幸裕 (大阪府立大学)
要旨:
都市緑化によって成立した植生のモニタリングを目的として,植生生育状況と熱収支特性の関連について,1995年10月の午前と午後の2回の航空機MSSデータを供試して解析した。純放射量は地表状態によって大きく異なった。潜熱フラックスはNDVI値と正の相関があり,顕熟フラックスとは無相関であった。午前と午後の温度差をもとに求めた熱慣性特性値(TRN)と潜熱フラックス,は植生の種類と生育状況をよく反映したものとなった。これは潜熱フラックスが健全な植生の活発な蒸散作用や良好な土壌の保水性を示すからであり,このような特性を都市緑地の生育モニタリングに用いることができる。
キーワード:
都市公園緑地,生育モニタリング,地表特性,TRN,熱フラックス