[pp.37-42]
朴 永吉,田代 順孝,木下 剛 (千葉大学)
要旨:
高齢化社会に直面する今日,高齢者の視点から都市公園の在り方について考察することは重要な課題である。本研究は,東京都の5つの区で高齢者の公園利用と利用空間の特性について実態調査を行い,両者の関係を分析することから,高齢者の公園利用形態とその空間的条件について考察を行った。その結果,高齢者の公園利用形態には16のタイプが確認された。休憩,遊びを見る,交流,の3項目が高齢者の公園利用の主要な形態であることがわかった。また,縁地率,空間の安全性,広場(の存在),日陰ベンチ(の存在),景観,の順に利用人数との相関が高く,空間の開放性,景観,日陰ベンチ(の存在),広場(の存在),の順に利用形態の多様性との相関が高いことが明らかとなり,高齢者の公園利用形態の多様性を支える空間的条件についての基礎的知見を得た。
キーワード:
高齢者,公園利用形態,空間特性