[pp.215-220]
林 豊,高木 史人,秋山恵二朗,清水冨二男,勝野 武彦,藤崎健一郎,鈴木 光 (清水建設(株),富士見グリーンエンジニアリング(株),横浜市役所,日本大学)
要旨:
多様な生物の生息場所であった干潟や磯などの汽水域は,増水時の安全確保や土地利用などのため,コンクリートや鋼板の垂直護岸や低水護岸に変わった。今回汽水域の低水護岸の緑化によるビオトープの創造を行うため,1)植物が自生している汽水域の土壌分析と客土の選択,2)施肥効果の検討,3)消波構造物による土壌と植物の流出防止,4)干満と水の塩分の側定などを行った結果,荒木田土に堆肥を10%以上混合した客土を用い,砕石を入れたプレキャストのコンクリート枠で消波し,ヤシガラ繊維のマットに育苗したシオクグを透水性コンクリート製の枠で押さえることにより,汽水域に多様な生物の生息場所を創造できることを実証した。
キーワード:
汽水域,緑化,ビオトープ,低水護岸