[pp.143-148]
藤間 煕子,藤原 一繪 (横浜国立大学)
要旨:
市街地における無管理夏緑広葉樹二次林を種多様性が高く持続利用可能な雑木林として復元するため種々の管理を実施し,管理後に追跡調査を行い,復元初期の植生生態学的特性の分析をした。伐採跡地では二次林の高木層構成種とともに低木種の萌芽や陽樹の実生が急速に伸長して低木層を形成する。草本層には伐採後26か月間に153種が出現した。低木層の急速な伸長と草本層の迅速な植被形成により階層が分離し,低木群落が形成され若齢二次林へと更新する。伐採後3年間の下刈りや萌芽整理は特定種の繁茂を抑え,階層分離を促進し種の豊富性を高めた。高木層を15%程度残した択伐方式は階層の分難に対して有効であった。放置樹林では下刈り管理により3年めまでに群落出現種数が著しく増加した。
キーワード:
二次林,伝統的管理,伐採更新,萌芽枝,下刈り,低木林形成