[pp.131-136]
浦山 益郎 (三重大学)
要旨:
本研究は,景観形成の視点から,斜面緑地の保全策を検討する上で必要な判断材料を提供するシステムを提案する。本システムは,まず視点場を設定し,GISを用いて視覚的によく見える斜面を描くことによって景観構造を把握し,さらに,その景観構造と樹林地をオバーレイすることによって斜面緑地の景観的価値を把握する。第二に,過去の土地利用変化から,斜面緑地の滅失可能性を予測する。第三に,斜面緑地の保全策の方向性を探るために,景観的価値と滅失可能性の2つの側面から斜面緑地を評価し,その結果をGISによって地図上に表示するものである。最後に,この方法を三重県四日市地域に適用し,システムの有効性と限界を検証した。
キーワード:
斜面緑地,緑地保全,GIS