[pp.101-106]
矢沢 正士 (北海道大学)
要旨:
開発の進んだ石狩泥炭地の主要部では,農業的土地利用率が単独で80%を超えているか,農業的土地利用に都市的土地利用と都市的荒地を加えて80%を超えている。これらの開発された土地利用の中で,自然的土地利用がある程度集積している土地利用形態を抽出してみると,幹線防風林帯,河川水面,湖沼,河畔植生などであることが明らかになった。幹線防風林,河川水面,河畔植生についてはある程度の連続性が保たれているのに対し,農業的土地利用に囲まれている湖沼の場合は,農地拡大の圧力が大きく,残存する湖沼を保全することが,開発された石狩泥炭地の田園景観や親水空間としての価値を高めるために必要である。
キーワード:
石狩泥炭地,開発された土地利用,自然的土地利用,幹線防風林帯,河川水面,湖沼