[pp.89-94]
藤沢 直樹,糸長 浩司 ((株)地域計画研究所,日本大学)
要旨:
地域環境の一方の管理主体である土地所有者の意向と行政サイドの計画的な意向,自然環境的因子から規定される計画的条件を考慮した土地利用計画を環境共生型田園土地利用計画として定義し,その計画策定手法に関して長野県飯田市を対象として分析した。延べ42回に渡る旧村地区単位での住民参加ワークショップ方式による計画手法と,その後の計画者サイドでの環境的因子の加味を計画修正手法として試み,考察を進めた。旧村という社会単位が,環境共生型での土地利用計画の社会単位として意味をなしているとともに,地域固有の環境的因子を生かすことで防災機能等にも効果をあげられる方向性を持った計画案を提示した。住民参画の過程で自然環境的因子を加味するプロセスを構築する課題が残る。
キーワード:
環境共生,持続性,住民参加,土地利用計画,地方中心都市