[pp.47-52]
赤澤 宏樹,中瀬 勲 (兵庫県立人と自然の博物館,姫路工業大学)
要旨:
災害復興公営住宅である南芦屋浜団地の住民にアンケート調査を実施し,緑化活動を通じたコミュニティ形成の初期段階における意識の特性を探った。その結果,現段階では公的空間の緑化に対しては利他的な役割,私的空間の緑化に対しては利己的な役割といった,空間ごとに異なる役割の要求が発生していることがわかった。この傾向は加齢や単身化とともに顕著になり,参加意向の減少とあわせて高齢者・単身者の緑化活動を通じてのコミュニティ形成の障害になっていることが明らかになった。この様な結果を踏まえて,他者との接触の機会が少ない高齢者・単身者を,公的空聞の緑化活動に誘導する必要性を論じた。
キーワード:
緑化活動,コミュニティ形成,住民参加,住民意織,震災復興