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大塚 生美,糸長 浩司,趙 賢一,斎藤 一雄 (日本大学,(株)愛植物設計事務所)
要旨:
本研究は,山形県飯豊町を事例地とし,農村地域の自立に向けた地域環境との共生を探る上で,地域住民の暮らしに視点をあて,住民による暮らしの実態の自己評価を「暮らしの環境観」とし,水に関わる事項を「水観」として力点をおき住民の意識構造を明らかにした。研究方法は,5つの環境項目と4つの評価軸で構成される質問項目と環境項目別の暮らし方の満足度評価で構成されたアンケートを用いた。結果,「暮らしの環境観」は,緑の暮らし>リサイクル>農の暮らし>省エネ>水の暮らし の順で評価が低くなる。中でも水の価値に対する意識が希薄化していることが「水観」に示された。今後は,地域循環系での水系環境系のあり方に関する意識を明らかにすることが課題である。
キーワード:
農村地域,地域資源,水系環境系,暮らしの環境観,水観,地域環境計画