[pp.267-272]
加藤 哲男,本多 義明 (福井県大野土木事務所,福井大学)
要旨:
本研究では,緑地協定の認知構造は環境意識と活動意識によって構成されるという仮説をたて,これを検証するために,福井県を研究対象として,これらの意識と協定締結意向の関係を把握することを目的とした意識調査を実施した。その結果,地域レベルでは,環境保全意識にはゴミ焼却場や下水道等の環境関連施設の整備状況が影響していることが把握された。協定を締結してもよいと回答した比率と,緑化括動推進策に対する選択率との間に相関が確認されたが,緑化活動実績および活動意向との間には相関は確認されなかった。個人レベルでは,緑地協定に積極的には参加できないが働き掛け如何では参加してもよいという潜在的活動参加者の存在が窺え,協定内容の認知が不十分なために締結の判断がつかない段階にあるものと考えられる。
キーワード:
緑地協定,認知構造,環境意識