[pp.231-236]
森田 吉晃,三浦 裕二 (日本大学)
要旨:
わが国の湖沼や河川の堆積土地帯には概ね「アシ」が群生している。しかし,湖沼や流入河□部の「アシ群生(アシ原)」の堆積土に対して,治水事業の目的で安易に護岸・浚渫工事等が施工されているのが現状である。その結果,近年,湖沼や河川では,動・植物の生態系や水辺環境の変化および水質の悪化等が著しく進んできた。本論文は,わが国で最も汚濁した内陸湖沼である手賀沼および印旛沼とその周近部のアシ群生部の有効利用による内陸湖沼の水質改善手法の提案のために航空写真を用い,画像解析からアシ群生部を明らかにし,あわせて現況調査によるアシの群生密度およびアシ群生部の土壌特性を分析した。その結果,「アシの生育条件」として,アシ群生部の群生密度・土壌特性が明らかとなり,さらにアシ群生の有効利用による内陸湖沼およびその周辺の環境保全の向上を考察した。
キーワード:
環境保全,アシ,アシ群生部の土,土壌特性