[pp.195-200]
伊藤 政博,成川 幸宏 (名城大学)
要旨:
本研究は,富士川河口から沼津港までの約20kmの富士海岸を対象にして,海浜変形に伴う汀線変動と砂浜上のハマボウなどの海岸植物が植えている植生帯の幅との関係を検討する。砂浜上の植生帯は,睦側への飛砂防止,砂浜上の気温,景観上など海岸環境の保全する上で重要な存在である.海岸堤防前面の砂浜消失は高波による海岸堤防の安全性を検討する上で,無視できない。さらに,砂浜に生えている海浜植生が,海浜変形とどのような関係にあるかについて過去49年間の海浜幅,植生帯の幅および前径浜の変化を調べた結果,海岸侵食が激しい河口近くの冨士および吉原工区では,植生帯の幅がかなり減少し,変動が激しい。一方,海浜が安定している沼津工区では,植生帯の幅がほとんど変化してないことなどが明らかになった。
キーワード:
海岸侵食,汀線変化,砂浜植生