[pp.171-176]
守村 敦郎,森本 幸裕 (大阪府立大学)
要旨:
中央アジア乾燥・半乾燥地域の季節変化のパターンを,NOAA/AVHRRデータを用いることにより解析した。代表的な植生は,降水依存植生と河川水・地下水依存植生に大別され,これらはそれぞれ特徴的な季節変化のパターンを示した。また降水量データとの対応では,降水依存植生のなかでもその降水の利用形態に関し様々なパターンが存在することが衛星画像データの上から明らかとなった。降水依存植生は,その生長量は春期の降水量に左右されるが,その地理的分布と春期の降水量分布との対応は必ずしも一致しておらず,これら植生の分布は休眠期および種子散布期にあたる夏期,もしくは秋期の乾燥の程度に左右されると考えられた。
キーワード:
中央アジア,乾燥地,植生変動,リモートセンシング,NOAA,降水量