[pp.135-140]
イエ 京禄 ((株)タム地域環境研究所)
要旨:
本研究は,自然環境保護に関する意識,行動が日常の自然体験の状況とどのように関わっているのかを検証するため,環境条件の異なる3つの調査対象地における親世代と児童世代の自然体験類型と自然環境保護意識・行動について調査・分析を行った。その結果,自然環境保護意識・行動は人々の自然体験類型,特に日常接している自然環境条件(都市的自然-農村的自然)よりも日常の余暇行動類型(多様な行動-単調な行動)と強い関運をもっていることがわかった。つまり,環境への配慮につながる意識・行動は,居住地の農村的,都市的自然環境条件よりも,多様な余暇行動によって規定される面が強く,環境教育的側面からみると自然での多様な余暇行動を通して自然環境保護に対する意識・行動を誘発することが効果的であるなどの知見が得られた。
キーワード:
自然体験,環境保護,環境教育