[pp.99-104]
鈴木 清三 (住友生命総合研究所)
要旨:
6割以上の企業は「地球環境問題は中長期的に重要な問題で,経済成長を多少緩やかにしても今のうちに対応しなければ将来取り返しがつかなくなる」と考えている。企業自身の環境行動の認識と消費者が企業に期待する環境行動にはギャップがある。例えば,消費者と製造業のズレが最も大きいと考えられるのは,「廃棄された製品を責任を持って回収・処分する」で,これを企業に期待している消費者は約8割であるのに対して,製造業では35.3%が消費者の期待を認識しているに過ぎない。「環境に配慮した商品・サービスに開する情報を提供している」企業は僅かに2割で,消費者との情報交換を重視する企業はまだ多くはないようである。
キーワード:
環境意識,環境行動,消費者と企業の環境認識のギャップ,コミュニケーション不足