[pp.69-74]
立入 郁,恒川 篤史,武内 和彦 (束京大学)
要旨:
南緯20°から北緯60°,東経60°から同160°の範囲において,緯度1°×経度1°を単位とし,植生,標高,土壌,年平均気温,年降水量の各データを用いてアジア地域の土地分類をおこなった。分類はcorrespondence analysisによって3次元空間に各サンプルをプロットしたのち,cluster分析を適用することによっておこなった。その結果,入力データのうち特に気温と降水量の寄与が大きく,それは分類後のカテゴリーの配置が,チベット高原を中心とした同心円上の構造と熱帯から亜寒帯へと変化する南北の構造を持つことにあらわれた。また,分類結果と耕作強度や土壌荒廃のようすとの関連性をχ2検定によって調べたところ,統計的に有意な関連を持つことが示された。
キーワード:
土地分類,環境特性,耕作強度,土壌荒廃,アジア